THIS IS US/ディス・イズ・アス シーズン1
2018年に制作されたドラマで、それぞれの人生を描いた物語。
20th Century Fox Television
この記事はネタバレを含みます。閲覧の際はご注意ください。
登場人物
・ジャック・・・36歳、シーズン1の時点で自営業?、レベッカの彼&夫になる人
・レベッカ・・・36歳、昔歌手、ジャックの彼女&妻になる人
・ランダル・・・36歳、転機を予測する仕事、妻と子2人
・ケイト・・・36歳、昔から太っている事がコンプレックスで、人生を変えるためにダイエットをする。ケヴィンと一緒に住んでいる。兄妹。
・ケヴィン・・・36歳、シッターマンという人気コメディードラマの主人公で人気の俳優、自身の俳優業にコンプレックスがあるイケメン。ケイトと一緒に住んでいる。兄妹。
あらすじ
この物語は、36歳の人間が、それぞれ色んな悩みや悲しみを抱えて生きる、リアルなドラマ。誰もが味わったことのある何とも言えない感情が視聴者を引き込む物語です。
この記事を書いている私はもうすぐ36歳になるので、ピンポイントでリアルだなと感じたドラマでした。36歳なのに大人になりきれていない登場人物と自分が重なったり。。生きるという事を改めて考えてみたくなる作品です。
このドラマの面白さは見てすぐに分かると思うのですが、ヒューマンドラマだったりハートフルドラマだったりのカテゴリーだと思うのですが、終始ミステリーのような謎解きや考察が必要になるドラマだったりします。
ただのヒューマンドラマだと思って見ると驚きが多くなるので、まずはネタバレを見ずに見た方がいいドラマですね。
ジャックとレベッカの物語
THIS IS US、それはジャックとレベッカの物語から始まります。
ジャックとレベッカは三つ子を授かっていました。ジャックの誕生日を祝っていたら破水してしまうレベッカ。三つ子を産むのはリスクもある。無事生まれた子供は2人。もう1人はへその緒が首に巻き付いてしまって死産してしまいました。
そこからどう生きていくかのお話。
ケイトとケヴィンの絆
ケイトは昔から肥満体系でいつも自分を否定してしまいがち。肥満でいる事に呆れてしまうケイト。誰しもが味わった事のある感情なのかなと感じました。
そんな彼女を支えているのが兄妹のケヴィン。ケヴィンはシッターマンという人気ドラマの俳優をやっていて、とにかくイケメンで人気者。だけど少し頭が悪く、36歳にしてはオバカな発言が多い。
あまり考えずに動いてしまい失敗し、自己嫌悪に陥るケヴィン。明るい性格だけどとても繊細な性格をしている。発言は幼稚で人を傷つけてしまう事が多いが、心優しく人に好かれるタイプ。
いつも2人は一緒にいてお互いを支えあっている良い関係。
ランダルという人物
成績優秀で優しく、妻と子供2人に恵まれているランダル。黒人という事で差別を受けてきた。自分を捨てた父親を探している。
時空を超えて。
このドラマの一番の特徴は、全員36歳だという事。そして36歳ではないという事。
ジャックとレベッカは三つ子を育てる
ジャックとレベッカは3つ子を授かり3つ子のうち1人は死産で亡くしたと言いましたが、3つ子を育てています。ジャックの誕生日であり子供たちの誕生日でもある日に、ある場所に捨てられている子供がいました。その子を男が病院に連れて行くと、ジャックとレベッカがいました。
1人死産で失った事が受け入れられないジャックとレベッカ。捨てられていた生まれたての子供も一緒に育てる事にしました。
ケイト、ケヴィン、ランダルは3つ子。
そうです。レベッカが生んだのがケイトとケヴィン。そして捨てられていた子がランダルでした。
その子たちを育てる事にした時、ジャックとレベッカは36歳。転機の時。
ランダルの父探し
肌の色が違う事で自分の両親が違う事を知るランダル。本当の両親が誰なのかを知りたくて探し出しました。その父親は薬物をやっていて、妻が亡くなり育てていく事が出来ないと思い、消防署の前にランダルを置きました。父親を探し出し会ってみる事に。ランダルの感情表現がすごく良くわかるなって思って、ここでリアルだなと感じました。
父に、会いたかったと言ってほしかったランダル。父はランダルに冷たくする。口では暴言を言うけど、本当は会いたくてしょうがなかったランダルは父を家族に合わせる事にする。なんでそんなことをしてしまうのか、自分でも混乱しているランダル。自分が何故捨てられてしまったのか、父の事を知るうちに、一緒にいたいと思うようになる。そんな時に、父が癌だと知る。
知らなければ良かったものを、知ってしまった事でショックを受ける2人。
やっと再会できたのに、一緒にいる事ができる時間はあとわずか。こういう所も残酷でリアルなところですね。ランダルの不器用さは、肌の色の違いや、自分だけ捨て子だった事など、子供のころのコンプレックスからきたもので、その不器用さと兄妹との関係を少しずつ改善していくきっかけとなったのが父との再会であり、ランダルにとっての転機は36歳だったという事。
ランダルが人生を生きなおす36歳の時の話。
ケヴィンのコンプレックス
ケヴィンはシッターマンという人気ドラマの俳優。しかしケヴィンはシッターマンみたいな役をやるような俳優でいたくないと思っている。もっと良い役をやりたいケヴィンはシッターマンを辞める事に。
そんな気持ちとは裏腹に、シッターマンという役のおかげで大人気のケヴィン。そこで爪痕を残して良い役を取ればいいんじゃ?とも思いますが、ケヴィンは真っすぐな人。嫌だと思ったらやりたくないのがケヴィン。
顔も良く、人気者のケヴィン。実はコンプレックスの塊。
オバカさんだけど人気者で見た目もいいのに何で?と思いますが、こちらも子供のころの環境が原因だったりします。
実はケヴィンは三つ子の中では長男。女の子であるケイトを可愛がる父。手のかかるランダルにつきっきりの母。プールで溺れていても誰も助けてくれない。自分の事を誰も愛してくれない。
それがケヴィンのコンプレックスであり、自信の無さの原因。
ランダルはとても優秀で運動神経も良かったから、ケヴィンはいつも負けていて、自分はダメな人間だなといつも自信を無くしている。そんな中、変なシッターマンという役でしか活躍できない自分にうんざりする。
人気だったシッターマンという役を降りて、自分を変えるためにどう生きていこうか考える事になった36歳の時。ケイトと一緒に住み、お互いに依存していた双子。36歳になり、自分のせいでケイトは人生を棒に振っている事に気付き、自立する事を決める。
シーズン2を少しだけ
ジャックの死
色んな出来事にも耐え続け、レベッカの感情的な性格にも耐え、良い父親であり旦那であろうとしたジャック。長い間耐え続けてきた事により、ある時タガが外れてしまった。
ジャックは鬱状態になり、アルコールに依存してしまう。ジャックは自己嫌悪に陥り、レベッカと離れて暮らす事に。レベッカはそんなジャックを無意識に追い詰めてしまっていた。
そんなある日、ジャックが住んでいる家が火事になる。そしてのちに死の知らせを受ける。
母親の幼さ
個人的にレベッカの事は苦手なんですが、このドラマでは母親との確執が度々登場します。
ケイトが歌を歌う時、レベッカはケイトを褒めつつ、もう少しこうしたら、もう少しああしたら。いつも相手の気持ちをダウンさせてしまう。多分レベッカはいつでも自分を一番に考えてしまう癖がある人。だからケイトが痩せたいと思っていても、いつも美しい母親がそばにいるから自信を無くしてしまう。歌を歌おうとしたら、レベッカが上手い歌を口ずさみ、ケイトの自信を奪ってしまう。
レベッカは自覚のない虐待をしているんだなと感じました。
だからこそ、苦しんでいるジャックの事や、子供たちの事に気付かずに失っていく。
このドラマは色んな苦しみから立ち直ろうとする子供たちや家族の話。
ジャックという人間
ジャックは誰から見ても良い父親であり、良い夫。
いつでもレベッカを愛し、子供たちの苦しみを理解し癒す。どんな時もすぐに気が付いて、とびきりの笑顔で癒すのがジャックという人間。
ジャックが苦しい時、誰が癒す?誰が気づく?
家族を守る側の人間は、自分の弱さを見せづらかったりします。弱さを見せた時にはもうすでに末期だったりします。
シーズン2ではジャックの苦しみと家族の絆が描かれるんじゃないかなと思います。
感想
誰もが味わった事のある挫折や家族の間のゴタゴタが描かれているドラマで、それぞれの人のそれぞれの物語。シーズン2では37歳になってからの話になります。
このドラマを見て、心が満たされたり、苦しい事を思い出して涙したり。色んな感情が湧いてくるかもしれません。これは自分自身と向き合う転機のドラマです。是非。
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